今年はチビたちに振り回されて、なかなか読書できなかったなあ。

絵本ならたくさん読んだし、たくさん直したけど(破かれたり食べられたりするので)。

それでも価値のある本にいくつか出会えたので年の最後に紹介しよう。


【『臆病な僕でも勇者になれた七つの教え』(旺季志ずか)】


これからベストセラーになりそうな最有力候補。
こないだ出版関係の忘年会に行ったら、一番の話題がこの本だったよ。

生まれつき髪と眼が青く
父親からも「バケモノ」と見捨てられた少年キラが、
なぜか徳島弁の老師に導かれながら、
聖櫃(アーク)を探す冒険に出る物語。

ファンタジー小説の体裁なのに、
読むと「自分のことが書いてある!」と思ってしまう、不思議な本。

人間誰しも生きていればコンプレックスとか後悔とか迷いとか不安とか抱えているものだろうけど、
そういう「自分」を見つめる価値観を180度ひっくり返してくれるよ。

人生を変えたい人の新年1冊目には絶対おすすめ。



【『絶対儲かる「値上げ」のしくみ、教えます』(石原 明)】


晴れて独立した今年、一番背中を押してくれた本。

いままで「自分の値段」は予備校が勝手に決めてくれていたけど、独立すると報酬を自分で決めることになる。
もっとも交渉の席で「●●万円ください」と言うわけじゃなく、条件に合わない仕事は断るという意味だけど。


もともと自分の値段を高く見積もっていないと、単価の安い仕事で数をこなす「薄利多売」に走りたくなるもの。
その結果、仕事のクオリティは下がり、単価も移籍する度に安くなる。。。
この負の連鎖だけは避けたかった。



「コンテンツの商品価値を上げる→単価を上げる→空いた時間に自己投資する→もっと商品価値を上げる→単価を上げる→以下、くり返し」
著述業・講師業はこっちのサイクルを維持しないと。

受験産業の時給デフレに巻き込まれずに踏ん張れたのはこの本のおかげだ。



【『申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。』(カレン・フェラン)】
申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。
カレン・フェラン
大和書房
2014-03-26


これは痛快。
経営コンサルタントの仕事が実は現場の問題解決ではなく、クライアントの経営者に管理システムとかを売り込むことだったという衝撃の暴露本。

今年の夏、いわゆる「ロジカルシンキング」をひっくり返す内容の新セミナーを立ち上げたんだけど(予想以上の好評で、近いうちに本にする予定)、

世間に広まりきった前提をひっくり返すって勇気が要るんだよね。
外資系コンサルの先生方を怒らせそうで。

でもこの本を読んで、やっぱりこの方向性は間違ってなかったと確信した(笑)



【『「学力」の経済学』(中室 牧子)】
「学力」の経済学
中室 牧子
ディスカヴァー・トゥエンティワン
2015-06-18


経済学といっても、お金の話というよりは「事実・データに基づいて判断する」という意味。

その意味では「科学」と同じだし、医療における「エビデンス」もいっしょ。

このシリーズもそうだね。
ヤバい経済学 [増補改訂版]
スティーヴン・D・レヴィット/スティーヴン・J・ダブナー
東洋経済新報社
2007-04-27


「子どもに○○すると△△になるよ」
「子どもを○○にしたければ△△しなさい」

世の中には子育てや教育についていろんなことを言う人がいるけど、
実際のところ本当に○○したら△△になるかどうか検証されていないことがほとんど。

「子どもに○○すると△△になるだろう、なるはず、なって欲しい」みたいな憶測でみんながバラバラなことを言っている。

それを統計的に検証してみましょうという本。

言われてみれば当たり前なんだけど、日本の教育行政ってゆとり教育にしてもセンター試験にしても効果の検証なんかやらないんだよね(笑)


教育に関しては「これ読んでない奴とは議論しても時間の無駄」というポジションの本だと思う。



【『健康で文化的な最低限度の生活』(柏木 ハルコ)】


生活保護って、待機児童問題と違って「議論する人間が当事者ではない」という難しさがあるんだよね。

ときどき不正受給がニュースになるので「生活保護=悪」みたいなイメージがあるけど、
実際はどうなのか?

それをものすごくリアルにわかりやすく描いた漫画。

福祉課に配属された新人公務員が出会う受給者たちが抱える、思いも寄らない事情の数々は

社会に対する目線を変えてくれるかもしれない。

公務員志望者は必ず読んでおくべき本だね。