「先生、なんかどの問題も『1メリット 2デメリット 3解決策』の構成で書けそうな気がするんですけど?」

うっ・・・・たしかに(汗)

もちろん「問題点を自分で探せ」的な出題では「1問題提起 2原因分析 3解決策」の方がすんなり書けるので、必ずしも「メリット・デメリット型」が万能ということではないんだけど、

それでも彼の言うことには一理ある。
てか、かなり真理を突いている。




世の中には「中央集権vs地方分権」「原子力vs自然エネルギー」「競争原理vs平等主義」「韓流好きvs嫌韓」「アンドロイドvs iPhone」などなど、いろんな対立軸が存在するよね。

現代文でも小論文でも、筆者は必ず何らかの対立軸を使って文章を書いているものだ。

冬期講習でやったばかりなので慶應の法学部を例に挙げると、

2013年は「調整型リーダーシップvs統率型リーダーシップ」

2012年は「国家が国民の内面を制御するvs(内面は国民の自由)」
(「内面は国民の自由」と直接書いてるわけじゃないけど、普通に読めば察しがつく)

2011年は「合法的抵抗権vs法を否定する抵抗権」

2010年は「同盟国を守るvs自国を優先する」

2009年は「社会の責任を市民が負うvs行政に任せる」

こんな感じ。

この対立軸を無視して「古代ギリシアではインターネットがなかったので・・・」とか書いちゃいけないよ。(課題文に出てくるキーワードに「からめた」だけの小論文を俺は「ちなみに小論文」と呼んでいる)

古代ギリシアだったり明治の日本だったり未来国家だったりするのは単なるモチーフ(小ネタ)であって、テーマは上記の対立軸。いつの時代でもどこの社会でも議論される普遍的課題だ。

「テーマを理解する」というのは「対立軸」を理解することなんだよ。




冒頭の生徒の発言に戻ると、

AとB、二つの思想が対立しているとすると、「Aのメリット=Bのデメリット」「Aのデメリット=Bのメリット」である場合が多い。

だから「1メリット 2デメリット 3折り合いのつく解決策」という書き方で片付いちゃうんだよね。

悔しいけど、戦略として正しい。



実は、俺自身もこの1年間いろんな生徒に教えながら密かに実験を続けてた。

たしかに「書けない」という人ほど何でも「メリット・デメリット型」で練習すると短期間で書けるようになるんだよね。

なぜかというと、物事をプラスマイナスの両面から見ることを強制されるから。

「自分の視点」にとらわれているよりも、「反対の立場の人の事情」まで考えたら単純に書くことが2倍に増えるじゃん(笑)

「地頭力=視点を変える力」だとすると、強制的に逆の立場で考えるというのはとても効果的なトレーニングになるんだよ。



「問題点を発見して原因を分析する」というのはちょっとレベルの高い話なので、当面は「メリット・デメリット型」で押し通すのも一つの手だね。



「小論文のオキテ55」の144ページには唯一の(笑)演習問題として「死刑制度」が載ってるけど、これも「1メリット 2デメリット 3解決策」の型なので参考に。





去年の今頃も小論文のまとめ記事を書いていたので、こちらもどうぞ。
2013年01月22日 小論文のまとめ記事