「国語の先生」として本を3冊出してきたけど、

いわゆる「文章の読解法」的なノウハウを書いたことは一度もない。

いつも「書き方」「解き方」「答え方」ばかりだ。




授業で教えている「2回目の法則」とか「きっかけ→気持ち→理由の法則」とかは「書き手はこんな工夫をしている」というタネ明かしであって、「簡単に読めるコツ」なんかではない。

「小説では最後のシーンを先に読め」というのもテストでわけわかんなくなった非常事態の対処法であって、普段からそうしろと言ってるわけではないよ。




もっとも、焦ってる受験生が「面倒くさい長文を楽に読める魔法」を欲しがる気持ちはよくわかる(笑)

でも、まともな大学に受かりたかったら普通に最初から最後まで読むのが一番だ。




先日あった質問。

「先生、このページのこの部分と次のページのこの部分って、どう同じなんですか?」

いや、同じというか、むしろ違う話題だけど。。。

「だって、『筆者のイイタイコトはくり返される』っていうじゃないですか」

少なくとも俺はそんなこと言ってない(笑)




そういえば昔の参考書ってそんなこと書いてあったなあ。「筆者のイイタイコトはくり返される」とかって。

でも普通に考えて、プロの物書きが全く同じ話をくり返すか?

一つのテーマをいろいろ違う観点から分析してるから文章が長くなるんだよ。

当然、段落ごとに新しい情報が加えられるもんだ。

だから、さっきのフレーズを全否定しない大人の対応で言い直すと、こうなる。

「筆者の言いたいことは、形を変えてくり返される」




予備校の国語講師にはいくつかの流派みたいのがあって、

「文章全体の構造を捉える」派と「一文を正しく読む」派。

で、「どっちが正しいか(正確に言うと「俺の方が正しい」)」的な論争になったりするんだけど、

ぶっちゃけ国語できる人は無意識に両方同時にやってるよね(笑)




受験生にとっては「どう読むか」よりむしろ「何回読むか」の方が大事。

国語苦手な人ほど予習で1回さらーっと読んで終わりにしてるもんね。

あれだけ情報量も価値もある文章を1回しか読まないって、もったいないにも程がある。

授業の1週間前に1度目の予習で読む。

授業の前日にもう一回予習して読む。

授業のあとに要約書くためにまた読む。

1回を3回に増やすだけで相当違うぞ。


東洋では「読書百遍、意自ずから通ず」という。

西洋では「Non multa, sed multum.」という。
2009年08月22日 Non multa, sed multum.



小手先の「読解テクニック」なんかじゃなく、まっとうに読書のスピードを上げたいという人はこの本でハードなトレーニングしてもいいかもしれない(笑)
目指せ、1冊10分!!
フォーカス・リーディング (PHP文庫)フォーカス・リーディング (PHP文庫) [文庫]
著者:寺田 昌嗣
出版:PHP研究所
(2011-07-03)




仕事に必要なのは、「話し方」より「答え方」仕事に必要なのは、「話し方」より「答え方」 [単行本]
著者:鈴木 鋭智
出版:中経出版
(2013-06-14)