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選挙になると、選挙公報というチラシが各家庭に配られる。

このブログ読んでる高校生&浪人生のみなさんは選挙権がないからどうでもいい話かもしれないけど、

これが毎回、国語のいい学習材料になるんだよ。

2009年05月17日 立候補者の自己PRを国語目線で添削してみた
2011年04月07日 選挙公報で国語の勉強

Sたま市長選挙の各候補者による主張を「国語的に」比較してみよう!


(注:当ブログは受験生応援ブログです。あくまでも国語の勉強であって、選挙運動ではありません)


各候補とも、横に写真と名前、上にメインの見出しというか公約というか、キャッチフレーズを配置している。

まずY田候補から。

「財政破綻を招く総費用3000億円 地下鉄(岩槻〜浦和美園)建設にNO!」

この人は市議時代からいつも公約が明確で具体的。
てか予算7500億円規模の市が地下鉄に3000億円って(笑)
しかも市民の税金から。
太字ゴシック体で強烈に反対するのもわかる。


でも、反対派の主張だけ聞くのもアンフェアだよね。
せっかくだから建設推進派の言い分も聞いてみよう。さぞ切迫した必要性を語ってくれるに違いない。


推進派の筆頭(のはず)、現職市長S水候補。

「市民とともに、まっすぐ。」

・・・あれれ? 地下鉄は?

S水候補の公約はどこを見ても地下鉄の地の字もないぞ。

その代わり、こんなのが。

「日本一の教育文化都市を実現」
「子ども支援の総合拠点、子ども総合センター開設」

さて、何を建てていくらコストがかかるんだろう?


隣のY田候補の公約を見たら、値段がはっきり書いてあった。

「岩槻人形会館(30億円)、子ども総合センター(60億円)、サッカープラザの建設は中止」


S水候補、忘れただけなのか敢えて隠したのか、書いてないことが多すぎる。

そのくせ
「これまでの1期4年、実現しました!
(中略)全国情報公開度、政令市で1位」

本当か???



小論文でも、課題文に「書いてあること」よりも「書いてないこと」に気づくのが上達の秘訣だ。



そういえばS水候補、4年前の市長選では「絆」をキャッチフレーズにしていた。

震災前から「絆」を使うとは、時代を先取りしていたよなあ。

で、今回は
「しあわせ実感都市さいたま
選ばれる都市を目指して」

うーん、コピーライティング的には前回の「絆」の方が上手かった。いまの社会に欠けているものを一番短く表現していた。

まさか、広告代理店へのギャラを値切ったんじゃないだろうね?
(高い報酬を払うクライアントにはエース級のコピーライターを担当させて、値切るクライアントには新人とか三流のコピーライターをあてるのは当たり前。いや、決してどこかの予備校の話をしているわけでは(以下略;))

さらに続けて
「1東日本の中枢都市構想の推進
2日本一の安心減災都市づくり
3日本一の教育文化都市を実現
4環境未来都市の実現
5健幸都市づくり」

「東日本の中枢は仙台では?」「市長、二位じゃダメなんですか?」「最後はダジャレですか?」「コピーライターさん、やっつけ仕事でしょ?」といくらでもツッコミが入りそうな公約(?)の羅列にトドメを刺すのが

対立候補Y田氏の締めのフレーズ。

「政令指定都市だからと無理な背伸びをせず
東京に隣接した立地を生かした街づくりを」

この二人の公約はセットで読むと漫才みたいで実に面白い。



他の候補は・・・

O石候補の公約はY田候補と似てるんだけど、
「市民に増税負担増押しつけ市政から、市民のくらし・福祉守る市政に」
見出しが長いっ。

問題の地下鉄の件にも触れているけど、
「地下鉄7号線の延伸は市の負担の限界をこえています。代替交通機関を検討します」

その代替案まで書いてくれたらいいのに。

Y田候補は「建設費不要な日比谷線や半蔵門線と東武野田線との直通運転(吉田プラン)の実現を」と具体策まで書いてる。




N沼候補は、白縁・影付き・斜め文字というワープロが普及し始めた頃のセンス。目がチカチカする。

「さいたまを3本の矢で、取り戻す」

何から? どこから? 誰から?

「第一の矢(中略)子どもたちの未来のために、出来ることは何でもやります」
「第二の矢(中略)市民の皆様一人ひとりが景気回復を実感できるように、きめの細かい経済政策を推進して参ります」
「第三の矢(中略)校庭芝生化を軸としたスポーツドリームランドの実現を目指します」

えーっと、具体的な提案は「校庭芝生化」だけですよね?




【本日のまとめ】
・「書いていないこと」にこそ、重大な真実がある。
・提案は具体的に。
・広告代理店に頼むなら、値切らない。



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