何かと賛否両論だったNHKの「純と愛」。

まあ、NHKのドラマは何をやっても賛否両論になるんだよね。

というより、何をやっても文句をつける人が現れる(笑)
(俺も「鉄砲さ」問題で噛みついたから他人のことは言えないけど)




で、朝ドラらしからぬエンディングで波紋を呼んだらしい最終回。

俺は完成度の高い最終回だったと思うぞ。

愛くんが目を覚まさないことだけに注目したら不幸な話になるんだろうけど、

眠ったままの愛くんの周りでみんなの人生が動いていく展開(誠が人生の目標を見つけたり、セニョールとおかみさんが結婚したり)と解釈したら、逆にポジティブな話じゃん。


石像のように直立不動のマイケル・ジャクソンの周りで観客が狂喜乱舞していく『ライブ・アット・ブカレスト』のオープニングみたいな。

あるいは脳死状態の海江田艦長の心臓の音が中継されて世界中の原子力潜水艦が独立していく『沈黙の艦隊』のラストとか。





それに、いつもオープニングだった『眠り姫』のアニメーションをエンディングに持ってくるという手法も巧みだ。

あれで現実とファンタジーがいい感じにクロスして、現実には叶わなかったけど本人たちの夢(幻想)の中では幸せな結末という、不思議な不思議な余韻を残すんだよ。

毎朝見ていた絵本のアニメーションの意味が、最後の最後で覆される。

あの終わり方は最初から計算してたと思う。



『ビューティフルライフ』のエンディングでも、キムタクと車椅子の常盤貴子が実写でじゃれてるんだけど、最後に車椅子を置いて二人が走っていく風景だけはCGなんだよね。

ヒロインが死んじゃった最終回の終わりに見ると、そのCGの意味がやっとわかる。(現実にはあり得なかった光景だから、実写じゃない)




『純と愛』を純粋に映像作品として見たら、作り手がやりたい放題に工夫を凝らした面白いドラマだったよ。

NHKの視聴者には「受信料払ってんだから民放にできない型破りなことをやれ」という層(俺含む)と「受信料払ってるんだから真面目にやれ」という層がいる。

ときどき「賛否両論」が起こるのはその辺の構造が原因だと思う。



こういうときは、保守層を怒らせる方が正しい。

NHK、もっと暴れろ。