ことわざで昔から気になってるのがもう一つ。

「郷に入っては郷に従え」
英語では「When in Rome, do as the Romans do.」

ローマでは地元の人間と同じように観光客から財布を盗み、女の子を見たらナンパし、週末にはマンマが作ったパスタを食べるために実家に帰れ、ってか?



でも、それならミラノでもナポリでもフィレンツェでも同じじゃね?

なぜローマ限定?



ちなみに同じようなことわざはイタリア語にもある。

「Paese che vai, usanza che trovi.(異なる国には異なる習慣)」

あれれ?地元イタリアでは「ローマ」が出てこないぞ。



Wikipediaの辞書版、ウィクショナリーによると、
(そのままコピペしたので携帯では正しく表示されないかも)

英語: when in Rome, do as the Romans do
ハンガリー語: Ha Romaban elsz, elj ugy, mint a romaiak
マルタ語: meta tkun Ruma, agħmel bħal Rumani
トルコ語: Roma'dayken Romalılar gibi davran
ポルトガル語: Quando em Roma, faca como os romanos

以上が特定の地名が入っているもの。どれも「ローマ」だ。

他の国では「ローマ」がない。というか地名がない。
中国語: 入鄉隨俗
ドイツ語: Mit den Wolfen heulen
ロシア語: С волками жить, по-волчьи выть
タイ語: เข้าเมืองตาหลิ่ว ต้องหลิ่วตาตาม

ドイツ語は「オオカミから吠え方を習う」みたいな意味らしい。



もしかしたら「ローマではローマ人みたいに振る舞え」がことわざになっているのは、

古代ローマ帝国に占領された地域じゃないか?

251px-Roman_Empire

ローマ帝国版図の拡大
紀元前133年(赤)、紀元前44年(橙色)、14年(黄)、117年(緑)

↑世界史でよく出る。


そうだとしたら、「When in Rome, do as the Romans do.」の「Rome」は「イタリアの首都ローマ」ではなく「ローマ帝国」ということになる。

すると、「観光客をだまして女の子を口説いて楽しく暮らそうぜ♪」なんていう呑気な旅のマナーではなく、


「ローマ帝国に占領された以上、ローマの法律に従わないと死刑になります」


という、文字通りの死活問題だ。

(イエス・キリストもユダヤ属州の住人だったので最後はローマの総督ピラトに引き渡されて死刑になっている)




これなら、被征服者のことわざに「ローマ」が明記されて、征服者のことわざに「ローマ」がない理由が説明できる。

足を踏んだ方はすぐ忘れるけど、踏まれた方は忘れない。