選挙のことをブログに書くと何かの違反になるとかならないとか。


でも、そんなの関係ねえ!


これからやるのは選挙運動じゃなく、国語の勉強だ。

どこまで書いたら逮捕されるのか、さいたま市議会選挙(北区)で試してみようじゃないか(笑)

埼玉県警、カモン!!




選挙が近づくと「選挙公報」というチラシが各家庭の郵便受けに配られるんだよ。知ってた?

候補者の名前と顔写真とプロフィール(経歴)と「◎◎やります」みたいなキャッチコピーと公約の説明文で構成されている。



まずコピー的に上手いと思ったのは伊藤まなぶ候補。

「28歳」とでっかく書いて若さをアピールしている。全候補者の中での自分のポジションがわかってるね。

プロフィールも「地元の宮原幼稚園、秦平小学校、栄東中・高でマナブ」と名前に絡めた地元アピール。その後もいろんな国会議員の下で「学ぶ」とキーワードが一貫している。

キャッチコピーは「安心、安全なさいたま市へ まっすぐに、マナブ。」

・・・ここは学ぶだけじゃなく行動して欲しいところだけど、まだ若いからいっか。




表現がマズイと思ったのは公明党公認のたけやま広道候補。

「緊急地震速報を防災放送で発信!!
全区役所に衛星通信電話!!電話回線不通時もOK!!
特別高度救助隊「ブレイブハート」誕生!!
学校耐震化率74%、24年度完了!!」

パッと見ると「これから目指す公約」なのか「これまでの実績」なのか紛らわしい。(よく見ると上の方に「約束します」とは書いてあるけど)

「『ブレイブハート』誕生!!」ではなく
「『ブレイブハート』を北区にも!!」と書くべきだ。




元吉本芸人という民主党公認の小川ひさし候補。

「夢・愛・笑顔いっぱいのまちづくり!」
駅でよく見かけるけど、この人の笑顔は一度も見たことがない。

キャラと言葉が逆のメッセージを発しているんだよ。
こういう場合、言葉が見た目を補うんじゃなく、外見が言葉を打ち消してしまう(心理学でメラビアンの法則という)。

もっと真面目で攻撃的なメッセージの方が似合ってると思う。

「・待機児童を解消し、放課後クラブ、病児・病後児保育を充実させます
・児童虐待ゼロを目指します
・若者・障がい者に対する就労支援を強化します
・働く場の安定確保を目指します
・高齢者の生きがいづくり、介護・医療の支援体制を充実します
・介護職員の処遇を改善します」

で、何をどう変えたらこれらを実現できるのかという具体策が一つもない。俺の小論文の授業なら真っ先に減点されるところだ。



具体策といえば、自民党公認のベテラン関根伸明候補が参考になる。

「日進駅前通り(七夕通り)の電線地中化」

超地域密着のピンポイント公約!(笑)
ここまで狭い固有名詞を出さないと市会議員は務まらないって。



もったいないなあと思ったのが、つねみ龍太郎候補。

「●さいたま市を日本一の防災拠点都市に」
「●地域経済対策は少ない資金で大きな効果のある政策を」
「●市民による市民のための政治を」

これらの見出しが説明文と同じフォントサイズの明朝体なんだよ。

見出しは短く、でっかいゴシック体が基本。

選挙公報は広告と同じ。だから「見せる」工夫をしなきゃせっかくの内容を読んでもらえない。

(チラシの一番下に「この選挙公報は、候補者から提出された原稿を写真にとってそのまま印刷したものです。」と書いてあった)

つねみ候補はプロフィールももったいない。

「日進小・日進中・浦和実業高卒(上記期間ボーイスカウト活動)様々な仕事を経験の後、(株)オリエンタルランド本社準社員として、ショー制作部、ショーコスチューム課の倉庫管理を統括。○孔明に憧れ、政治を志して18年。○座右の銘=温故知新、臨機応変。※選挙カー・事務所・公費負担に頼らず挑戦。」

政治を志して18年間何をしていたのかを書かなきゃ。

オリエンタルランドでのキャリアであれば、そこで学んだことが公約とつながっている必要がある。

だってディズニーランドの衣装倉庫だよ。絶対何か特別なノウハウがあるはずじゃん。
せっかく公約の中に「防災物資の備蓄」とか書いてあるのに、よっぽど善意で深読みしないと結びつかない。惜しい。



次の選挙のときは俺が書いてあげたいくらいだ(笑)

知らない人だけど、国語講師として放っておけない。




プロフィールと公約の一貫性を勉強するなら、さいたま市議会の暴れん坊、吉田一郎候補を参考にしよう。

「若竹幼稚園、東大成小、植竹中、県立上尾高卒/法政大学社会学部卒、早稲田大学院修士(国際関係学専攻)/経歴:HongKong Post記者、月刊『香港通信』編集長、日刊『香港ビジネスポスト』編集長/著書『国マニア』『世界飛び地大全』『国境線の謎がわかる本』『九龍城探訪』『香港街伝』ほか 国際問題の専門家としてTBS、文化放送、NACK5などに出演」

要は領土問題専門のジャーナリスト。
支配権と富の分配で揉めている国境地帯を取材してきたキャリア、それに対する社会的評価(著書とメディア出演)、そして学歴が一本の線でつながっている。完璧。

そしてこの人の問題提起は

「合併から10年、予算も病院や保健所も公共施設も浦和の方へ集中しています。
 市街地再開発予算は浦和1376億円に対して、大宮275億円と著しい格差です。」

吉田候補の選挙戦は浦和支配に対する大宮の独立解放闘争だ。

こういうのをプロフィールと公約の一貫性という。





あくまでも、以上の話は国語の勉強であって選挙運動ではないよ。

そもそもこの記事の対象は18〜19歳の受験生だもん。選挙関係ない。



推薦入試、AO入試では志望理由やら活動報告書やら面接やらがある。

実は選挙のプロフィールや公約を書くのと基本的な考え方は同じなんだよ。

秋になると増えてくる「志望理由の添削」でも、俺は上の選挙公報とまったく同じようなツッコミを入れる。

無駄な情報や抽象的な言葉を削って削って、一貫性と具体性を掘り出そう。
そのとき自分の一番の武器が光る。