Q:書くほどの実績がないんですけど。。。?

A:活動報告書や自己推薦書は「高校時代の活動と、それを大学生活にどう活かしたいかを述べよ」という形で求められる。これも志望理由書同様、「これまでの自分」と「これからの自分」で構成しよう。

 まず高校時代の活動実績。3年生の秋になってから「何も実績がありません!」と泣きついてくる生徒も少なくないが、たとえ地区大会二回戦敗退という微妙な成績だとしても十分書きようはある。
 大学が見ているのは実績ではなく、「その経験から何を学んだか」だ。
 たとえば、地区大会二回戦敗退の野球部も、地区大会で一勝する前はもっと弱くて情けない時期があったかもしれない。チームがバラバラ、やる気もなし、しかも全員初心者といった具合に。そんな過去があるとつい隠したくなるのが人情だが、弱小チームが一勝できるまで成長するには必ず何らかの工夫や変化があったはずだし、メンバーもそこで何かを学んでいるはず。そのプロセスを書くべきなのだ。
 そして、「学んだこと」は具体的な言葉で述べること。ダメなのは「精神力」「友情の大切さ」「努力は裏切らない」といった、よく使われて手垢にまみれたフレーズだ。これらは、誰でも書ける。本当は何も学んでいない奴でも書ける。だから信じてもらえないし、ほとんど評価されない。
 むしろ「人は三日くらい寝ずに練習しても死なないことがわかりました」の方が、実際にやった本人しか言えない言葉だけにリアリティがある。「精神力」の凄さが伝わる。
 「名言は自分で発明する」くらいの志を持とう。

 そして後半の「今後にどう活かすか」。ここでは志望理由書と同じように大学での勉強と将来の職業をリンクさせよう。たとえば「三日寝なくても死なない」ことがわかったのであれば、「ジャーナリストになって24時間動き続ける社会のニュースを追いかけたい」でもいいだろう。「自分の態度によって相手の態度も変わる」ことを学んだのであれば、「保育士になって子供の心を開かせる」というのもいい。些細なことでもいいので前半と後半の接点を見つけること。読み手は一貫性のある書き手を信用するものだ。


 参考までに活動報告書のサンプルを紹介する。

【悪い例】
 私は三年生の時、校内の英語スピーチ大会で三位という大変素晴らしい成績を取った。この大会はグループの対抗戦で、大会までの二週間、私たちは放課後遅くまで残って準備をした。私は自分の英語の練習だけではなく、リーダーとして4人のメンバーをうまくまとめ、その責任を果たしたと自負している。ここで培った英語力と精神力を大学入学後も活かしていきたい。
 大学入学後は経営学を専攻したい。いま起業が大ブームである。私も自分で会社を起こし、ビジネス界に新しい風を起こしたい。そのために必要なのは人脈作りだ。勉強ばかりするのではなく、サークルや飲み会にも積極的に参加し、将来のための人脈を作っておきたい。だからこそ、たくさんの学生が集まるこの大学を志望するのである。

〈悪い点〉
・「校内三位」なのに「大変素晴らしい」は大げさ。
・メンバーをどうまとめたのか、具体性がない。
・結局学んだのがリーダーシップなのか英語力なのか精神力(?)なのかわからない。
・「精神力」が何を意味するのかわからない。
・起業することがどのような社会貢献になるのか、全く考えていない。
・「サークルや飲み会」ばかり頑張りそうなのでマイナス。
・この大学を選んだ理由に「人数」しか挙げていない。

【良い例】
 高校三年の時、校内でグループ対抗の英語スピーチ大会が行われた。私のグループは当初、メンバー各自がやりたいテーマを主張して揉め、一時はグループ崩壊の危機にあった。しかしリーダーである私が自分の意見を抑え、メンバーに資料作りや原稿チェックなど各自が得意な役割を与えたことで争いは収まり、協力する態勢ができた。結果は三位だったが、私はこの経験から「リーダーシップとは適材適所を判断すること」だと学んだのである。
 大学入学後は経営学を専攻したい。将来、障害を持つ人たちが働き、精神的にも経済的にも自立するための会社を作りたいからである。それぞれ障害の種類や程度が異なる障害者に自分の持ち味を発揮して働いてもらうためには、一般の会社以上に適材適所を考える必要がある。そのため単なる経営の知識だけではなく、ゼミや研究室の仲間との共同作業を通してチームワークやリーダーシップにさらに磨きをかけていきたいと考えている。

〈良い点〉
・リーダーとして工夫したことを具体的に書いている。
・学んだことを自分の言葉で書いている。
・「適材適所」をキーワードに前半と後半が一貫している。
・「経営学」と「会社設立」の社会的意義を述べている。