「環境先進国・江戸」
  鬼頭宏 PHP新書
  難易度 ☆☆☆☆
鎖国によって資源の輸出入がゼロだった江戸時代、日本は閉じたエネルギー系の中で完全な循環型社会を形成することになった。牛馬や人力を主な動力とするだけでなく、都市の屎尿を農村で肥料として利用するという徹底した資源リサイクル(専門家はこれを窒素とリン酸に還元して考える)は一見、現代人が理想とするエコ社会を実現しているかのようだ。しかし、薪の大量消費による森林破壊、それにともなう土砂災害や野生動物との衝突など、江戸時代にもそれなりに環境破壊は問題となっていた。良い面も悪い面もあったという意味で、まさに江戸は循環型社会の「実験場」だったと言える。農学部、経済学部、史学科志望者必読。