眠れるライオンもたまには起きるっ

『何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55』著者の鈴木鋭智が受験生を励ましたり冷やかしたり・・・

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『採点者の心をつかむ 合格するプレゼンテーション・面接・集団討論』(かんき出版)
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「パスタの迷宮」
  大矢復  洋泉社
  難易度 ☆☆☆☆
この著者はいろんな顔を持つ。ある時は洒落たエッセイを雑誌に連載するイタリア学者、またある時は美食の伝道師。そうそう、ついでに代ゼミの講師もやってるね。飲み会の度に被害に遭っている俺にはただの飲んだくれにしか見えないけど…。そんな著者の知性と博識が炸裂する、受験には何の関係もない道楽本。古代ローマ人の世界観や小麦の植物学的特性など、あらゆる観点からパスタの発生史を推理していく「大矢理論」が辿り着いた驚愕の結論は、パスタの起源をめぐる世界中の論争に終止符を打った!…かも知れない。巻末に超わかりやすいレシピ付き。この通りにカルボナーラを作ってみたら、専門店で食べるより旨かった。

「脳死・クローン・遺伝子治療 バイオエシックスの練習問題 」
  加藤尚武著  PHP新書
  難易度 ☆☆☆☆☆
著者は哲学の専門家だが最先端の科学にまつわる倫理問題を得意とする。突然カントやヒュームが出てきて面食らうが気にするな。脳死やクローンに関する賛成論・反対論の数々を取り上げて一つずつ真偽を吟味していくやり方は相当な説得力を持つ。この人と口喧嘩したら絶対負けそうだ。一度に通読しようと思わず、関心のある項目を拾い読みするのもいいだろう。生物系、医学部志望者にはじっくりつきあう価値がある一冊だ。

金持ち父さん貧乏父さん「金持ち父さん貧乏父さん」
  ロバート・キヨサキ  筑摩書房
  難易度 ☆☆☆☆
お金が手に入った時、高級車や別荘など税金と維持費で「お金が出て行くもの」を買うのが貧乏人。事業用の車や賃貸用の不動産など「お金が入って来るもの」を買うのがお金持ち。一般サラリーマン家庭では教えてくれない、お金持ちと貧乏人の発想の違いを大公開した世界的ベストセラーだ。IT長者など、現在「富裕層」と呼ばれるお金持ちは必ず読んでいるぞ。でも決して表面的で利己的な“財テクのすすめ”ではなく、お金を軸にして生き方や教育について教えてくれる。一人暮らしの前に読んでおこう。

「環境先進国・江戸」
  鬼頭宏 PHP新書
  難易度 ☆☆☆☆
鎖国によって資源の輸出入がゼロだった江戸時代、日本は閉じたエネルギー系の中で完全な循環型社会を形成することになった。牛馬や人力を主な動力とするだけでなく、都市の屎尿を農村で肥料として利用するという徹底した資源リサイクル(専門家はこれを窒素とリン酸に還元して考える)は一見、現代人が理想とするエコ社会を実現しているかのようだ。しかし、薪の大量消費による森林破壊、それにともなう土砂災害や野生動物との衝突など、江戸時代にもそれなりに環境破壊は問題となっていた。良い面も悪い面もあったという意味で、まさに江戸は循環型社会の「実験場」だったと言える。農学部、経済学部、史学科志望者必読。

「英語の語源」
  渡部昇一 講談社現代新書
  難易度 ☆☆☆
「心」を意味するラテン語「mens」から英語の「mind」が生まれ、さらに「mention(思い出させる=言及する)」「monster(不吉なことを思い出させる=怪物)」などが派生した。みんなも知ってる英単語の語源をラテン語、ゲルマン語までさかのぼり、古代人が持っていた世界像を探っていく。受験英語とは全く異なるアナザー・ワールドが広がるぞ。とは言っても、「英語の成績あげるため」なんてセコイ動機で読んではいけない。著者に失礼だ。あくまでも楽しむために読もう。

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