眠れるライオンもたまには起きるっ

『何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55』著者の鈴木鋭智が受験生を励ましたり冷やかしたり・・・

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 4月の話はまだ早いかも知れないが、無駄なお金を使う前にひとこと言っておこう。
 それはノートの選び方。
 結論を言うと、横罫線の大学ノートは効率が悪い。
 たとえば数学。単純な足し算引き算ならまだしも、分数が出てきた時点で横罫線は邪魔になるはず。積分のインテグラルや数列のシグマなど、記号自体が罫線からはみ出してしまうものも多い。横罫線と格闘しながらグラフや図を無理矢理描いている受験生もよく見かける。
 無地か5ミリ方眼にすればいいのに。
 たとえば国語。横罫線のノートを90度回転させて縦罫線にし、記述問題になるとさらに定規で横線を引っ張ってマス目を作る。さらに古文と違い、現代文の先生は文構造を図解する人が多いので、板書が縦横入り乱れていたりする。
 原稿用紙か、8ミリ方眼にすればいいのに。
 社会では地図を描くし理科でも絵を描く。英語も文法の解説で先生が黒板にあれこれ書き込むことは横罫線の秩序には収まらないものだ。
 このように考えると、学校の勉強で横罫線の大学ノートを使うことにはほとんどメリットがないことがわかるだろう。それなのに、ただ文房具屋に大量に置いてあるというだけで、95%の学生が何も疑うことなく横罫線ノートを買って行く。

 もう一度、ノートを選び直そう。
 文具メーカーが勝手に決めた横線に縛られて生きる必要はない。

世界を見る目が変わる50の事実「世界を見る目が変わる50の事実」
  ジェシカ・ウィリアムズ著   草思社
  難易度 ☆
「米国に生まれる黒人新生児の3人に1人は刑務所に送られる」「世界の喫煙者の82%は発展途上国の国民」「英国で売られるニュージーランド産キウイは、その重量の5倍の温室効果ガスを排出している」など、統計を使って世界の実情を明らかにし、文字どおり「世界を見る目が変わる」一冊。“満へぇ”級のトリビア満載で、これを読めば明日から“うんちく王”になれること間違いない。だが書かれている内容の面白さもさることながら、本書の特徴はその手法。価値観や感情といった質的データでは見えないものをひたすら“数字”で追っていくというやり方は、大学に入ってレポートを書く時にも大いに参考になるはずだ。

感染症は世界史を動かす「感染症は世界史を動かす」
  岡田晴恵  ちくま新書
  難易度 ☆☆☆
1347年マルセイユに上陸したペスト(黒死病)はヨーロッパ全土を死体の山と化した。医学のない時代、祈っても無力な教会に民衆は絶望、宗教改革につながっていく。1493年コロンブス一行が持ち帰った梅毒の大流行はイギリス人の性意識を変え、純潔を重んじるピューリタン(清教徒)を生み出す。そして1918年アメリカ兵がヨーロッパに持ち込んだスペイン風邪は…。みんなも習った世界史を「疫病」という観点から再検証。貧困や戦争などの社会情勢が感染症の猛威を誘い、逆に感染症の惨劇が社会に大変革をもたらす。らい菌からインフルエンザウイルスまで、歴史を動かすのは人間様の野心やイデオロギーだけじゃないんだね。

逆説の日本史「逆説の日本史」
  井沢元彦  小学館文庫
  難易度 ☆☆☆☆
歴史好きは絶対はまる。卑弥呼の死因から源氏物語が書かれた目的、源義経が殺された本当の理由まで、定説を覆す珍説奇説のオンパレードだ。しかしただのトンデモ本と異なるのはその説得力。従来の歴史学における手法の欠陥を指摘し、史料に「書いてあること」ではなく「なぜこう書かれたのか」を分析していく。特に名前の付け方から天皇の死因や天皇家の本当の系譜までを解明していく過程は目からウロコ落ちまくり。歴史分野以外でも「文系の学問はこうやるもんだ」というお手本でもある。

ソロモンの指環「ソロモンの指輪」
  コンラート・ローレンツ著   早川文庫
  難易度 ☆☆
ノーベル賞学者の書いた本では一番面白いかもしれない。著者は鳥のヒナが生まれて初めて見た相手を自分の母親と思い込む「刷り込み」現象を発見したことで有名な動物行動学者。ハムスター、ガン、トゲウオ、カラス…自宅で放し飼いにされたさまざまな動物たちの恋愛模様や親子関係は、擬人化せず科学的客観的観察に徹しているがゆえにリアルで笑える。しまいには鳥や犬の言語を習得してしまうドリトル先生並みの著者。でも一番頑張ったのは家中動物だらけにされても長年耐え続けた奥さんだろう。

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