眠れるライオンもたまには起きるっ

『何を書けばいいかわからない人のための小論文のオキテ55』著者の鈴木鋭智が受験生を励ましたり冷やかしたり・・・

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Q:地球環境が悪化してきているが?
A:小学校のうちから環境について正しく教育するべきだ。

Q:凶悪犯罪が増えているが?
A:子供のうちから命の大切さを教えるべきだ。

Q:ニートが増えているが?
A:小さいうちから職場体験をさせるべきだ。

・・・立派な意見に聞こえるけど、全部アウト。
何でもかんでも子供のうちに教育すれば済むってもんじゃない。

理由は3つ。
1 いま問題を引き起こしている大人に対しては何の解決にもなっていない。
2 “正しい”教育を受けた子供たちが大きくなって社会を変えてくれるまで、何十年か待たなければならない。
3 そもそも思った通りに子供が育ってくれないのがいまの学校の現状。

単純な理屈だけど、小論文入試ではこの手の答案が続出するんだよね。
「誰が」「なぜ」「何を」しているのか、具体的に問題をとらえていないから。

地球温暖化なら
誰が…中国やインドなどの途上国が
なぜ…経済の急激な発展のために
何を…二酸化炭素の排出を増やし続けている

こうすれば、「途上国に対しエコ技術を供与するべき」となるだろう。

(実はこれも「なぜ技術供与が進まないのか」という新たな問題を提起してしまうけど、ここでは省略)

解決策が白々しいと思ったら、問題点を具体的に。「誰が」「なぜ」「何を」。

むかし、ヘンリー・マクマホンというイギリスの外交官がいた。

1914年にチベットとインドの国境として「マクマホンライン」を設定。
しかし中国を納得させることができず交渉は決裂、このマクマホンラインが後の中印国境紛争につながる。

翌1915年、ヘンリー・マクマホンはエジプトに転勤。
ここではアラブ人の独立を約束する協定を結び、これは「フサイン=マクマホン書簡」と呼ばれる。
しかし英国は一方でユダヤ人の独立も約束しており(バルフォア宣言)、この二股外交が後に中東戦争、パレスチナ紛争の原因となる。


戦争の火種を二つも残し、しかも自分の名前が残ってしまったマクマホン氏。

でも本人には悪気なんてなかったんだろうなあ。
本国の方針に従うのが外交官。

1949年に亡くなるが、その前年にはユダヤ人がイスラエル建国を宣言して第1次中東戦争が起こっている。
自分の仕事の結果が泥沼の紛争につながっていく過程をリアルタイムで見ていたはずだ。

どんな想いで見てたんだろう?
自伝か何かが残ってないか、現在アシスタント井上が調査中。

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1990年代後半、「チベタン・フリーダム・コンサート」というロック・フェスがあった。

その名の通りチベットを中国の圧政から解放しようというメッセージを世界に発信するイベントだ。
1999年には日本でも開催されハイ・スタンダードやブラフマンなど多くのロックバンドが出演、音楽イベントとしては大成功だった。

ところが、当時の日本でチベット問題の認知度は低く、しかも中国に遠慮したのか大手メディアの扱いもごくわずか。パンク少年を1万人集めたところで、政治的には何の影響力ももたなかったのだ。

結局2003年を最後にこのイベントは消滅。この2003年も「イラク戦争への抗議」という大義名分で開かれたもので、もはやチベット問題は忘れられてしまっていた。

いまこそ本来の「チベタン・フリーダム・コンサート」を復活させようぜ!

EU非公式外相会合:チベット弾圧中止を求める声明を採択
ペロシ米下院議長:「五輪の北京開催を決めたのは間違いだった」
サルコジ仏大統領:北京五輪開会式ボイコットの可能性を示唆
ドイツ、チェコ、ポーランド首脳:開会式への不参加を表明
スティーヴン・スピルバーグ氏:チベット問題以前にダルフール問題で北京五輪の芸術顧問を辞退
辻谷工業(世界一の砲丸メーカー):北京五輪に砲丸を提供しないことを表明

これに対して、

福田総理:「中国を批判して五輪と関連させるのが適当かどうか、よく考えなければならない」
高村外相:「内政問題ではあるが、情報をオープンにして、中国はそんなに乱暴なことはしていないんだな、ということを国際社会に伝えた方がいいのではないか」

おいおい。。。
何の弱みを握られているのか、中国を擁護する福田内閣。

「ここで中国に貸しをつくるつもり」という説もあるようだが、中国は「借りができた」とは考えない国だ。日本の経済援助を受けながら世界三位の軍事大国となり、数十発とも言われる中距離弾道ミサイルを日本に向けている。性善説を信じる日本人は中国人にとって単なるカモに過ぎない。

チベットでは1951年の中国人民解放軍のラサ侵攻以来、住民の虐殺が続いている。「村人全員虐殺」「村の女性全員レイプ(混血によって民族を根絶やしにするため)」など、「弾圧」という言葉のレベルを超えている。

先日も軍人がチベット人を狩りでもするかのように楽しそうに射殺している映像が公開された。
http://www.youtube.com/watch?v=tNnA3K_kCEc

ガソリンで揉めてる場合じゃないぞ。いやガソリンも大事だが、チベット問題に対する日本政府の態度は大量虐殺の黙認だ。つまり共犯だ。日本の歴史にまた汚点を残さないうちに、国会で非難決議くらい採択しろ。

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